天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ユキヤナギ

福浦漁港にて

 バラ科の落葉低木。河岸の岩上などに自生。茎の高さ1.5メートルに達し、葉は披針形。春、葉とともに、雪白・5弁の多数の小花をつける。観賞用に栽培。コゴメバナ。コゴメヤナギ。コゴメザクラ。漢名、噴雪花。平安時代から栽培されたという。


  雪柳花ちりそめて吸呑(すひのみ)の蔽ひのガーゼ襞(ひだ)
  ふえにけり               北原白秋
    
  雪柳は細枝撓めてこまかなるその白花に満ち渡りたり
                      植木正三
  雪柳そこのみいまだ暮れ残り何をひととき騒ぐ雀ご
                     川合千鶴子
  薄闇のなかぴしぴしと雪柳の花芽生まれてゐる気配すも
                      稲葉京子
  雪柳散らしてあそぶ異性とうこころ芽ばえし六歳の指
                      三枝昂之