天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

野茨(のいばら)の実

横浜市舞岡公園にて

 バラ科バラ属の落葉低木。日当たりの良い場所に生育し、2m程度だが高いものでは5-6mになる、葉は羽状複葉で、光沢がない。5月に白い花が咲き、秋には赤い実をつける。野茨の古名は「うばら」「うまら」とも。漢字で、荊とか茨を当てる。


  道の辺の荊の末(うれ)に這ほ豆のからまる君を別れか行かむ
                       万葉集・丈部鳥
  野いばらの実に雨ふれりありふれしやさしきものに今日は
  衝(う)たるる                 斎藤 史


  ふる雪に野茨の赤きつぶらみは雪うさぎの眼なり汝を置き来し旅
                         森岡貞香
  赤き実をなくして冬に耐えてゐし野茨(のばら)の白き花咲きそめぬ
                         馬場あき子