天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大場城址

舟地蔵

 思いついて初めて行く場所となると、路線を探すのに無駄が多い。今回もそうであった。小田急線の善行駅で下車し、うろうろ歩いたあげく、駅に戻りバスに乗った。のはいいが、かなり歩いてやっと城址公園に辿りついた。帰りは、なんと藤沢駅に直通のバスに乗ることができた。
 ところで大場城址とは、どんな歴史的背景があるのだろう。確かなことは、室町時代中期になって、扇谷上杉定正の執事・太田道灌が、この地に本格的な築城を行ったとされる。その後、北条早雲に攻められてその支配下にはいり、北条氏が豊臣に滅ぼされてからは、廃城になったという。この付近には、原始・古代の住居跡があり、住み心地は良かったらしい。伝説に彩られた場所もある。そのうちの舟地蔵については、次のような言伝えがある。
 北条早雲が大場城を攻めた時、付近一帯は沼地で、攻め入ることができななかった。沼近く住む老婆から引地科川の堤を切れば沼は干上がることを聞き出したが、秘密を守るため老婆を斬り殺した。「舟地蔵」は殺された老婆を供養するために建てられたという。


     駅を出て水木花咲く並木道
     ジョギングの城址公園八重桜
     石楠花や掘立柱建物址
     空堀の跡のいしぶみ姫女菀
     石楠花の色褪せしぼむ建屋跡
     もののふの宴をしのぶ桜かな