天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

かすみ草

横須賀菖蒲園にて

 ムレナデシコとシュッコンカスミソウの二種類がある。前者は、カフカス産でナデシコ科の一年草。後者は、欧州、アジア産の宿根草



  霞草かすみて寒の机上なる愚鈍凡庸かくしおほせよ
                     雨宮雅子


  急がねばならぬことなどなくなりし晩年のごと咲く
  かすみ草              馬場あき子


  花屋よりかすみ草ははみだして風吹くときにおおいに
  わらう                林 和子


  霞草 ドライフラワーとなるまでの鬱こもごもに
  黄変しゆく              松平盟子


  かすみ草の白きかすみを支へゐる茎あり一世(ひとよ)
  閉ぢゆく夜にも            栗木京子