天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蝉の穴

藤沢新林公園にて

 蝉の卵は枯枝や果実に産みつけられ、年内あるいは翌春に孵化して地上に落下、そこから地中に入って長年月を幼虫として過ごす。山道に開いている蝉の穴を数え始めるとキリがなくなる。随分多い。日本に棲息する蝉は30種以上らしいが、穴にもそれらの特徴があるのか定かでない。



  をりをりは閃くものの出入りして蝉の穴暗し
  ひとつならずも         葛原妙子