天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

川(3)

奥入瀬渓流

 河川の管理は「河川法」によってなされる。国土交通大臣が管理する河川を「一級河川」、都道府県知事が管理する河川を「二級河川」と呼んでいる。平成13年4月時点で、わが国には、一級河川が13,979個、二級河川が7,071個 ほどある。(日本河川協会発行『河川ハンドブック』)


  山いでて河やや浅みおのづから瀬に立つ水の声きこゆなり
                     大田水穂
  まんまんとおもくくもれる夕べの川にぶく時なくわが前に
  うごく                木下利玄


  国境(くにさか)をここに越ゆればあはれなるかな北に向はむ
  川発(おこ)るなり           吉野秀雄


  うち寄する波にしばらく競ふとも海に入る川つひにゆたけく
                     柴生田稔
  雪山をいでて清き川氷河よりいでて濁る川高原の中
                    佐藤佐太郎
  蛇行する川のひかりに長く添う航(ゆ)きつつ昏るる密林の色
                     近藤芳美