天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

砂漠(1)

サハラ砂漠(テレビ映像から)

 砂漠は降雨量が極端に少なく砂や岩石の多い土地のことで、植物がほとんど生息せず、昼間と夜の気温の差が激しい。沙漠とも書く。世界に分布する砂漠で、面積の大きい順に10カ所あげると次のようになる。サハラ、オーストラリア、アラビア、トルキスタン、北アメリカ、ゴビ、パタゴニア、タール、カラハリ、タクラマカン。アジアが最も多く5カ所もある。


  くれなゐの沙漠のはてと夕映の間に暮れてゆくところあり
                    佐藤佐太郎
  砂のみと思ひゐし砂漠に砂いろの棘もつ草の砂いろの花
                    藤原嘉通
  首垂れて砂漠の風に立ちつくす馬そのままに夕ぐるるなり
                    岡野弘彦
  はるばると流れて砂漠に終る川末無川(すゑなしかは)にて
  流域ひろし             秋葉四郎


  去りゆきし水のかたみに広がれる塩の砂漠を月渡るらむ
                    関根志満子
  砂漠より反る光に地と空のけぢめなきまで行く手明るし
                    松生富喜子
  限りなくやさしくなれる朝のため幾千の夜を砂漠に眠る
                    糸川雅子
  拝火教のたかき炎は照らしけむ夜の砂漠のかぜのゆくへを
                    紺野裕子