天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(3)

BSジャパンの放映画像から

 光は波の性質(波動性)と粒子の性質(粒子性)を併せ持つ。光の反射・屈折・回折といった現象は、波動性から説明される。また光電効果は粒子性により説明される。このように相補う性質を、文字通り「相補性」という。光の粒子説を唱えたのは、ニュートンであり、それを発展させたのがアインシュタインであった。光の波動説を実証したのが、ヤングやマックスウェルであった。


  わが児よ父がうまれしこの国の海のひかりをしまし立ち見よ
                     古泉千樫
  たふとしや千草もわれも光あり山に入らむず夕日のまへに
                     九条武子
  新芽(にひめ)立つ谷間あさけれ大仏にゆふさりきたる眉間
  のひかり               中村憲吉


  日のやうに光のやうに水のやうに流れのやうに明日の日の
  やうに               前川佐美雄


  寂(しづ)かなる光のくににわが母を想ひしこともかつて
  無かりき               柴生田稔


  湯にくだるながき廊下になびき寄り日のくるるまで穂萱の光
                     山本友一