天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鷹(2)

NHKテレビ「明治神宮」の映像から

 人類と鷹とは、古くから関係があった。縄文時代には食料にされていたようで、遺跡からタカ類の骨が発掘されている。また鷹の糞は、医薬品として用いられたことが『本草和名』(平安時代の医薬書)に記載されている。そして多くの国で、鷹狩に使用されてきた。鷹のシンボル・マークも多い。


  雪山のいただき低く翔(かけ)る鷹の胸のひかりをいつく
  しく見し               古泉千樫


  鷹の渡り空の一方(かた)へ移り行き秋の山河を離(か)れん
  としおり               前田 透


  南を指すかなしき鷹の志 白き岬の上をめぐりて
                     前田 透
  鷹の眼は蒼浪(あおなみ)を遠く見はるかし南へかける
  南とは何               前田 透


  聳え立つ一位の秀(ほ)つ枝(え)に白鷹といふを見にけり
  現(うつつ)かこれは          白石 昴


  いづれか一羽わがまぼろしと疑わず昨日の鷹と今日見たる鷹
                    佐佐木幸綱