天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(6)

光茸(テレビの放映画像から)

 光の性質として以下のようなものがある。
* 光は直進する。ただし重力場ではその経路は曲がる。
* 平面鏡に当たった光は、鏡に当たったときと同じ角度
  で反射する。
* 屈折率の異なる物質の境界面では光の進路が変化する。
* 強さは光源からの距離の2乗に反比例する。
* 光速は、光源の運動状態にかかわらず、不変。
* 光の質量はゼロ。つまり光は物質でない。
* 光は真空の空間を伝播することができる。


  空洞の四方直角に乾きはて光はどこまでも後より来る
                    植松壽樹
  ところどころ光湛ふる湖が雪にかこまれて黒く静まる
                    植松壽樹
  春光のなか置かれたる水晶ににくしんの手は映ると思ふ
                    浜田 到
  入方の光うすれて射すところ樹氷につづく樹氷しづかなり
                    松村英一
  戸を引けばすなはち待ちしもののごと辷(すべ)り入り
  来ぬ光といふは           宮 柊二


  花も木もやさしき光に照りあへば一枚の鏡ぬぐひてゐたる
                    中尾和子