天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蟻(1)

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 日本には、黒山蟻、黒大蟻など150種もいるというから驚く。その大部分が社会生活をしており、一匹の女王蟻と多数の働き蟻の集団である。


  蟻と蟻うなづきあひて何か事ありげに奔る西へ東へ
                     橘 曙覧
  砂原と空と寄合ふ九十九里の磯行く人ら蟻のごとしも
                    伊藤左千夫
  うつし世は一夏(いちげ)に入りて吾がこもる室(へや)の
  畳に蟻を見しかな           斎藤茂吉


  秋雨の暗くふる午後床をはふ蟻を殺してなぐさまずをり
                    結城哀草果
  朝顔の諸葉這ひ廻る蟻のゐて蔓の先までい行き戻り来
                     都筑省吾
  いろ黒き蟻あつまりて落蝉を晩夏の庭に努力して運ぶ
                     宮 柊二
  西日いま及ぶ路面におびただしき黒蟻うごきその影うごく
                     長浜一作


[注]右上の画像は、https://www.google.co.jp/search?q=%E8%9F%BB&hl による。