天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

酒の歌(8)

大吟醸酒セット(わが身辺から)

 大吟醸酒とは、吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米を原料として製造し、固有の香味及び色沢が特に良好なものに用いることができる名称。
 純米大吟醸酒とは、大吟醸酒のうち、醸造アルコールを添加せず、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したものに特に用いることができる名称。一般に醸造アルコールを添加した大吟醸酒に比べて穏やかな香りで味わい深い。


  一口でこころの鬼をころす酒ふたくち呑めば煩悩そだつ
                    島崎栄一
  一合の酒が三合になるまでは喋れぬ事も吾にはあるのだ
                    内田 弘
  父に注ぎ夫に差して子に勧めし私の酒はとくとくと鳴る
                    鳥海昭子
  胃の襞をきりきり洗ふ越の酒酔うて雪野の夢に眠らむ
                  山埜井喜美枝
  酒飲んで点れる君か花火の火しづかにもらふやうに言葉も
                    大口玲子
  底無しの沼へ投げこむごとく呑む酒は刃の冷たさを持つ
                    西川友子
  ゆつくりと一合の酒飲んでをり俺に子どもはゐないんだなあ
                    喜多昭夫
  味(うま)酒(さけ)の身はふかぶかと酔ひゆきて待つこころなり
  いかなる明日も           伊藤一彦