天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

イソギンチャク

八景島シーパラダイスにて

 磯巾着は腔腸動物花虫綱イソギンチャク目。浅海の岩礁に多く、岩に付いたり、砂中に埋まっている。口の周辺にある多数の触手は、水中で菊の花のように開いていて、刺激を受けると縮んで全体が巾着の形になる。春の季語で、傍題に「いしぼたん」。


     るいるいと磯巾着の咲く孤独    土橋石楠花
     突つき過ぎ磯巾着をおこらせし   石川星水女
     鉛筆をくはへ磯巾着すぼむ     片山那智
     忘れ潮いそぎんちやくの花一つ   鮫島春潮子


  水槽の底くれなゐにひかりゐてイソギンチャクの繊き毛ゆらぐ
                       鵜飼康東