天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

観音(1/3)

聖観音(妻の木彫)

 観世音菩薩や夢違観音のことで、誓子菩薩と共に阿弥陀如来の脇侍になっている。大慈大悲で衆生を救済することを本願とする。法華経の普及により広く崇拝されており、その仏像彫刻も多い。


  観音の大慈大悲ぞむかふべき八葉のはちすむねにひらきて
                       慈円
  くわんおん の しろき ひたひ に やうらく の 
  かげ うごかして かぜ わたる みゆ
                     会津八一

  御厨子(みづし)には観世音ます方丈の夜(よは)の鎮みや
  秋としなりぬ             木俣 修


  海にきて夢違(ゆめたがへ)観音かなしけれとほきうなさか
  に帆柱は立ち             前登志夫


  みとらしの蓮華色褪いよいよに十一面観音唇朱し
                     太田絢子