天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

洋楽器を詠むーピアノ(1/2)

  洋館(やうかん)の椿(つばき)をゆする疾(はや)ち風ピアノ鳴りつつ

  弾(だん)音(おん)はやし        中村憲吉

 

  部屋のうちに洋琴の弾音ちらばれば遊蝶花(パンジー)揺るるごときむらさき

                    筏井嘉一

  ピアノの音棲みみて高まりゆくときに菜種咲く野をわれは思へり

                   柴生田 稔

  革命歌作詞家に倚りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ

                    塚本邦雄

  魂のふかきをののき聴くごとくこの一瞬をピアノの音ひそまる

                    石川恭子

 

ピアノ