天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

「俳句研究」休刊

ハマナスの実

 「俳句研究」が休刊する。創刊されたのは昭和9年。何度か発行所が変わり休刊もあった。昭和61年からは富士見書房から発行され、今まで継続した。休刊の理由は明らかでないが、多分経営難であろう。俳句でも短歌でも商業誌が何種類も出て競争する形になるので、一定数以上の売り上げを確保できなければ、発行を断念せざるを得ない。
 俳句を始めてから毎月購入して読んだ。他誌も読んできたが、そのレベルの高さに期待していた。この終刊号の「読者俳句」に中原道夫が、わが句を取り上げて次のような評を書いてくれた。何かの縁であろう。


    黒猫がくるとささやく立葵

    [評]黒猫と立葵の関係。黒のイメージから近所でも
      悪(ワル)で通っているボス猫。立葵の辺りは猫
      の恰好なくけじ匿路(ぬけみち)となっているの
      だろう。立葵の花の形を見れば、囁きに対し耳を
      傾けている姿に見える。      中原道夫