天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

元使五人塚

片瀬・常立寺

 以前(去年4月15日のブログ)にも紹介したが、片瀬の常立寺は、元来、近くの滝ノ口刑場で処刑された死者を弔う寺であった。建冶元年(1275)4月、蒙古の国使・杜世忠ら5人が長門にやって来た。そして9月に鎌倉に到着、降服を勧告したが、時の執権北条時宗は、蒙古の国使5人を9月7日滝の口刑場で斬首に処した。死骸はこの常立寺に埋葬され、5基の五輪塔を建てたと伝える。これを元使五人塚と言う。
 実はこの寺、江ノ電沿線では梅の名所であることを駅の広告で知った。それであらためて行ってみた。梅林というほどのものではなく、数本があるのみ。白梅と紅梅が並んでみごとに咲いている。それにしてもカメラマンが多い。大半はアマチュアとおぼしい。そのアマチュアの写真が右上である。


  無謀なる降伏勧告たづさへて鎌倉に来し五人の元使
  東海の孤島に来たり降伏を勧告せしが首斬られたり
  紅白の梅の花咲く寺庭に無念のこせり五人の元使
  降伏を勧告にきて斬首されし元の使ひを梅がなぐさむ