天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

五浦海岸(1)

五浦観光ホテル大観荘

 西山荘を訪ねた後、水戸駅に引き返し、常磐線で北上して大津港駅に行く。五浦観光ホテルに電話して迎えに来てもらった。
五浦海岸(いづらかいがん、いつうらかいがん)は、茨城県北茨城市五浦にある景勝地である。小五浦、大五浦、椿磯、中磯、端磯という五つの浦あるいは磯があるところからこの名がついた。


  茨城の平野をよぎるとき想ふ久慈川の鮎那珂川の鮎
  下に見る五浦海岸 温泉の湯気にこぼるる連翹の花
  湯に入れば花の木立にひよどりの黒き影見ゆ二羽ゐるらしも
  春の夜のおぼろに揺れておぎろなき海に浮かべる漁火三つ
  春ふかみ夜の情念ゆらめけり五浦の沖の三ついさり火
  しののめの空あかるむを見てゐたり五浦の宿の湯に浸りつつ
  松ヶ枝に何鳥ならむとび来たり海をながむる東雲の朝
  観山の邸宅跡の石碑あり松並みたてるホテルの庭に
  大観の住まひの跡は大観荘五浦観光ホテル別館
  麦酒一本熱燗一合呑みて酔ふ五浦の宿に熟睡したり
  阪神と中日の試合見つつ寝るいづれが勝ちしか知らず眠れり
  目覚むればテレビがひとりしやべりをり明日の長野の
  聖火リレー

  
      五浦には櫻花ちる露天風呂
      ヒヨドリや花の木立に隠れ啼く