天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

大磯沖の釣舟

 わが国の神話として、『古事記』には天鳥船(あめのとりふね)、『日本書紀』には、天鳩船(あめのはとぶね)が出てくる。旧約聖書の創世記ではノアの箱舟が有名。エジプトのピラミッドからは、あの世と現世を行き交う手段として船が発見されている。最も原始的な船は、筏、丸木舟、皮舟などである。古代エジプトではパピルスを束ねたものが知られている。帆船も紀元前4000年頃から知られている。船の分類は、用途上から軍艦、商船、特殊船に大別される。商船には、客船、貨客船、貨物船。特殊船には、漁船、引船、砕氷船、クレーン船、海洋調査船、巡視船、練習船など。


  ささなみの志賀の辛崎幸(からさきさき)くあれど大宮人の
  船待ちかねつ             万葉集・柿本人麿
                     
  にほの海や霞のをちにこぐ舟のまほにも春のけしきなるかな
                       式子内親王
  わが傷をわが手にゑぐるかの日より船は忘却の河を求めき
                       斎藤 史
  冬の岬漕ぎたむ舟にくだちゆくぶあつき闇に貌つつまれぬ
                       前登志夫