天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鳥の編隊

愛知県岡崎市にて

 幼稚園児たちの生活発表会が始まるのを待って、会館の入口に並んでいた朝九時前のこと。突如、南の空に鳥の編隊が現れて、こちらに近づいてきた。雨曇りの空のせいか、鳥の色はみな黒く見える。一団が頭上を過ぎて飛び去ると、次の一団が南の空に現れ、もう終わりかと思っていると、また現れた。一隊は数十羽からなっているので、全体では数百羽になっただろう。ウミウの集団のように思えたが、このようにくの字の編隊を組むものだろうか。どこかのコロニーに渡っていくのだろうか。


  南より北に向かへる鳥の群くの字をなして次々にくる
  先頭にたつ鳥長く首伸ばし前を見つめてひたすらに飛ぶ
  くの字なし次々きたる鳥の群落ちこぼれなく北に向かへり
  列なさず思ひ思ひに飛ぶ鳥は別の種類と人らささやく
  人の子の親たるわれら見上げをり落ちこぼれなき鳥の隊列
  焦点の合はせがたしも雨雲の空とび去れる黒き鳥の群
  終りかと思へばまたも現はるる南の空の鳥の群はや


 写真に撮るべくデジカメを向けたが、クローズアップして焦点を合わせるのが難しく、四苦八苦しているうちに次々と飛び去っていった。やっと撮れたのが掲載のものである。編隊に見とれて、写真に撮ることを思いつくのが遅すぎたのが敗因。