鳥の編隊
幼稚園児たちの生活発表会が始まるのを待って、会館の入口に並んでいた朝九時前のこと。突如、南の空に鳥の編隊が現れて、こちらに近づいてきた。雨曇りの空のせいか、鳥の色はみな黒く見える。一団が頭上を過ぎて飛び去ると、次の一団が南の空に現れ、もう終わりかと思っていると、また現れた。一隊は数十羽からなっているので、全体では数百羽になっただろう。ウミウの集団のように思えたが、このようにくの字の編隊を組むものだろうか。どこかのコロニーに渡っていくのだろうか。
南より北に向かへる鳥の群くの字をなして次々にくる
先頭にたつ鳥長く首伸ばし前を見つめてひたすらに飛ぶ
くの字なし次々きたる鳥の群落ちこぼれなく北に向かへり
列なさず思ひ思ひに飛ぶ鳥は別の種類と人らささやく
人の子の親たるわれら見上げをり落ちこぼれなき鳥の隊列
焦点の合はせがたしも雨雲の空とび去れる黒き鳥の群
終りかと思へばまたも現はるる南の空の鳥の群はや
写真に撮るべくデジカメを向けたが、クローズアップして焦点を合わせるのが難しく、四苦八苦しているうちに次々と飛び去っていった。やっと撮れたのが掲載のものである。編隊に見とれて、写真に撮ることを思いつくのが遅すぎたのが敗因。