天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

乾鮭(からざけ)

BS−TBSのテレビ映像から

 鮭に塩をまぶし、水洗いしてから日陰に数十日干したもの。北海道や青森、秋田など寒い地方の保存食になる。干鮭とも言い、冬の季語。塩に漬けた鮭(塩引)とは違う。


     干鮭(からさけ)も空也の痩(やせ)も寒の中(うち)
                       芭蕉
     砂はじく音して乾ぶ市の鮭     臼田亜浪
     乾鮭の下なることにこだはれり   山口誓子
     乾鮭の頭もつとも乾びけり     長谷川櫂
     乾鮭の吊られて並ぶ背に値札    長谷川櫂
     乾鮭に風のぶつかる漁仕舞     田上悦子


  くりやべに鮭の片身をさげたるが幾日(いくか)になると
  ひとりごちつつ              岡 麓


 余談ながら、私はウィスキーが大好きで毎日飲んでいるが、その肴に鮭トバを食べることが多い。これは秋鮭を半身におろして皮付きのまま縦に細く切り、海水で洗って風に干したもの。