天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨明け

江ノ島ヨットハーバーにて

 関東地方はもう梅雨が明けたという。暦の上では、入梅(6月11日頃)から30日で梅雨が明けるとされるので、7月11日を過ぎれば、なるほどそんなものかと納得。


     富士かけて梅雨明け雲の深さかな   大場白水郎
     梅雨明けの裏富士のこの男貌     雨宮きぬよ


  大男が梅雨明けちかき街に来てそらの滑車をまはしはじめる
                       永井陽子
  梅雨明けの緑の土手に糸垂るる少年は雲を釣るやも知れぬ
                       太田青丘
  梅雨明けもまだ聞かぬ間にカナカナの本多の森に夕暮れせまる
                       中森武子
  あのひとは体のどこかに鮟鱇をぶらさげている 梅雨明け近し
                       中川佐和子


     梅雨明けや沖に出でゆく真帆片帆
     梅雨明けの潮風を嗅ぐ海の家