天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鮫(さめ)

NHKテレビ放映の画像から

 軟骨魚網板鰓類(ばんさいるい)で、エイ目以外のものの総称。温帯・熱帯の海に棲む。肉・ひれは食用になる。皮は乾かして「さめやすり」にしたり、刀剣の装飾用にする。


  三億年の歳月海を漕ぎいたる鮫の裸身のかなしき灰色
                    井辻朱美
  迷ひ鮫孤独に泳ぎをるならん夜の海おもひ山に眠れり
                    森重香代子
  「やさしい鮫」と「こわい鮫」とに区別して子の言う
  やさしい鮫とはイルカ         松村正直


  青嵐ふく夕まぐれ路地の口より鮫のあたまが出かかつてゐる
                    花山多佳子
  雪のごとく鰯群れゆくかたわらに現われし鮫しばし添いゆく
                    岡部桂一郎