天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

筑波山(3)

NHK−BSのテレビ映像から

 古来、有名な歌枕だが、現代短歌にはさほど多く詠まれていないようだ。


  みなの川もみぢ葉流る筑波ねの山もとどろに時雨ふるらし
                       契沖
  つくば山しづくのつらら今日とけて枯生(かれふ)のすすき
  春風ぞふく              賀茂真淵


  ふりさけて見るものどけし筑波山は山しげ山霞みわたるを
                    荷田蒼生子
  筑波嶺のたをりの路のくさ群に白く咲きたる一りんさうの花
                      長塚節
  新治(にひはる)筑波の山にわく霧のしだいにふかく朝づき
  にけり               尾山篤次郎


  筑波嶺は女男の神山並び立ち空をかぎりて乳房型の山
                     中村正爾