天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

虹(1)

NHK−BSテレビ放映画像から

 水滴が空中に飛散している状態に太陽光があたる時に虹が現れる。朝虹は西に、夕虹は東に立つ。詩歌では虹を橋に見立てることが多い。滝や噴水の周辺にも見る。「のじ」は上代東国方言。


  伊香保ろの八尺(やさか)の堰塞(ゐで)に立つ虹の現
  (あらは)ろまでもさ寝をさ寝てば     
                 万葉集・作者未詳


  雨はるる峰の薄雲うき散りて虹たちわたる冬の山里
                 夫木抄・藤原為家
  入日さす夕立ながら立つ虹の色もみどりに晴るる山かな
                       正徹
  一とほりむら雨はるる跡よりも夕日のわたす虹のかけはし
                     水戸光圀
  雨すさぶ河水しろく末晴れてなごり立ちそふ虹の一すぢ
                     岡本宗好
  雨のあしなびきて見ゆる雲間より懸け渡したる虹のはしかな
                     木下幸文


 今年のMLBの話題は、なんと言ってもヤンキース2番ショートのデレク・ジータの引退であろう。ヤンキース球場でのジータ最後の試合は、奇跡ともいえる展開になった。雨の予報ははずれ、虹が立ったが(右上の画像)、雨はついに降らなかった。黒田は8回まで投げ、オリオールズを3点をリードしてクローザーのロバートソンに譲ったが、ホームランを二本打たれて延長に。延長では、ジータがさよならヒットを打ってヤンキースの勝利を決めた。解説者、選手、観客みんなが奇跡の試合だと興奮した。