天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

太鼓(続)

江ノ島にて

 2013年1月3日のブログの続きである。和太鼓には、長胴太鼓(宮太鼓)、桶胴太鼓、附締太鼓の3種類がある。木でできた胴に皮を張り、それを振動させて音を出すしくみ。バチで叩くものが太鼓で、手で叩くものは鼓である。
 和太鼓の歴史は古く、縄文時代には既に情報伝達の手段として利用されていたらしい。


  この寺の時の太鼓は磯の浪おきしだいにぞ打つといふなる
                     足利義輝
  小夜ふけて角の芝居の果太鼓かなしく水にひびき来るとき
                     吉井 勇
  うつうつと性の太鼓のしのび打ち人生がもし祭りならば
                     岡井 隆
  笛太鼓背にし聞きつつ限りなくとほき別れのごとき思ひぞ
                     島田修二
  祭屋台の傍(そば)ゆくとき不意に楽高まりあはれ日本の笛・太鼓
                     田谷 鋭
  秋の夜のハリ戸を叩く冷雨冴え後(のち)シテをまつ野守の太鼓
                    馬場あき子
  大いなる黒牛のやうな春闇にどんぼりどんぼり太鼓がひびく
                     日高尭子