天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

シーラカンス

BS朝日テレビ「地球紀行」の映像から

 BS朝日テレビ「地球紀行」で、コモドドラゴンシーラカンスの映像を見た。特にシーラカンスに興味を持った。シーラカンスには8つのひれがあり、第2背びれ、胸びれ、腹びれ、しりびれには、鱗でおおわれた筋肉質の基部がある。浮き袋には空気ではなく脂肪が満たされている。
 シーラカンス目は多くの化石種によって存在が知られており、古生代デボン紀に出現して広く世界の水域に栄えたが、約6500万年前に絶滅したと考えられていた。ところが1938年に南アフリカの北東海岸のチャルムナ川沖で、現生種の存在が確認された。その後1952年にはインド洋コモロ諸島、1997年にはインドネシアスラウェシ島近海で生存が確認されている。テレビでは、現在でもスラウェシ島近海で容易に見つけることができる、ということであった。


  誰よりも淋しいひとりの眼をもちてシイラカンスがまだ
  生きている                鈴木諄三


感情を消して事実のみを詠むと次のようになる。


  四億年シーラカンスは生き継ぎてスラワシ島の海底に棲む
  海底の崖の窪みにひそみたりシーラカンスのみどりの眼
  人類の遠き祖先をたづぬればシーラカンスにたどりつくといふ
  捕へたるシーラカンスの腹中にポテトチップスの袋ありけり