天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

命を奪う

罠にかかったイノシシ(NHKテレビの映

NHKテレビ「ノーナレ 京都 いのちの森」は、衝撃的であった。有害鳥獣のイノシシを罠に掛け、棒で殴って倒し、ナイフで刺殺する一部始終が映し出される。さらに腹を裂いて皮を剥ぎ肉を取り出す場面もある。けものとはいえ、命を奪うことの恐ろしさ、厳粛さが迫ってきた。
なお京都府の場合の有害鳥獣(イノシシ、シカ)駆除に関する情報を以下に。
猟期: 11月15日〜3月15日。防獣柵: 2800km。獣害対策の予算: 年間5億円。
一般廃棄物として焼却される動物(駆除されたイノシシ、シカ)は年間6500頭。


  イノシシの侵入先は中学校、ホテルのロビー、大学の寮
  山神にワンカップささげ手を合はすイノシシ、シカの猟解禁日
  くくり罠十丁仕掛けしけもの道3つの山を毎日めぐる
  靴先は蹄(ひづめ)の形イノシシの気配濃き場所を探して歩く
  イノシシの腹裂き毛皮はぎ取りて家族で食べる焼肉旨し
  山里に棲みてイノシシ、シカを駆除タンパク源の肉を頂く
  山里の知る人ぞ知るけもの道罠をしかけてイノシシを捕る
  棒をもて罠にかかりしイノシシの顔面を打ち昏倒せしむ
  倒れたる猪の心臓まさぐりてナイフ刺し込む猟師なりけり
  心臓にナイフ刺されしイノシシの眼はやがて光失ふ
  見開ける眼に映る森の木々この世終りの見納めとして
  向き合ひて相手の目を見て命取るそれが猟師の責任といふ
  死してなほ目を見開けるイノシシをひきずり帰る森けもの道
  売るために殺すにあらず肉を食ふために殺すと里人言へり
  焼却後シカ、イノシシの残骸は産業廃棄物とされたり
  山の主母イノシシの気配追ひ今日も見回るけもの道はも