天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

軽井沢にて(2/2)

 軽井沢千住博美術館は、2011年10月に新しくオープンした美術館で、建築界のノーベル賞プリツカー賞」受賞の俊英・西沢立衛の設計になる。館内4か所のガラス張りの吹き抜け空間、そして軽井沢の自然地形を活かした床は土地の起伏のままに緩やかに傾斜している。
 周知のように、千住博は1958年生まれの日本画家で、世界最古の国際美術展ベネチア・ビエンナーレで入賞した数少ない日本人。代表作の「ウォーターフォール」は、白い背景に墨で滝を表現する手法で有名。現在ニューヨークに住み、日本画の魅力を海外に伝えている。
 今回の展示は、「水墨画1500年の源流に挑んだ新作水墨画シリーズ」であった。水の流れだけの滝や岩肌だけの崖であっても画家の思いがこちらに伝わってくるようで、独自の雰囲気がうらやましくなった次第。
 梅雨明け前で雷雨が心配であったが、幸い晴れ間にめぐまれ、傘は不用に終わった。

 

  水墨の滝、崖の絵に魅せられて千住博の思ひ伝はる
  自在なる筆のさばきの水墨画水のみ描きて大瀧かかる
  壁一面大瀧の絵がかかりたり床に流るる幻の水

 

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千住博美術館