天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

一位の実

 正一位従一位などの高官が儀式のときに持つ笏の素材にこの木が使われたことから「一位」と名付けられた。北海道から九州までに分布する常緑高木。

別名にアララギ

 

     一位の實ルビーの如し九月藎     山口青邨

     アララギは紅実老農白眉垂れ    中村草田男

     燕去りアララギの実の散ってなし   藤田湘子

     一位の実甘いし遠嶺の霧を見る   野見山朱鳥

     手にのせて火だねのごとし一位の実  飴山 実

 

  一位の実あまた落ちゐる道のうへ悲劇的なる朱にそまりて

                       鎌田和子

 

一位の実