天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歌まくらー西行の場合(3/7)

[神路山]三重県伊勢神宮内宮の神苑の山。天照山とも神垣山とも。

  神路山月さやかなる誓(ちかひ)ありて天の下をば照らすなりけり

[二見の浦]三重県伊勢市二見町の海岸。沖合の夫婦岩が有名。

  今ぞ知る二見の浦のはまぐりを貝合せとて覆ふなりけり

御津滋賀県大津市坂本一帯の古名。琵琶湖に面した一帯の浜が「御津の浜」

  思ひいでよみつの浜松よそだつと志賀の浦波たたむ袂を

 *よそだつ: よそよそしくする。

伊吹山滋賀県坂田郡岐阜県揖斐郡またがる。修験道の霊地。

  おぼつかな伊吹おろしの風先に朝妻舟はあひやしぬらむ

信楽滋賀県甲賀郡信楽町聖武天皇の紫香楽(しがらき)宮があった。

  春浅きすずのまがきに風さえてまだ雪きえぬしがらきのさと

 *すずのまがき:篠竹の籬(まがき)。

[大原]京都市左京区の大原町。寂光院三千院などがある。

  大原は比良のたかねの近ければ雪ふる程を思ひこそやれ

 

神路山