天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

龍太の人柄

 俳人飯田龍太にこだわっている。俳句を始めた頃は、彼の作品を好んで読んだものだが、いつの間にか離れてしまっていた。あまりに澄んだ抒情だからであろうか? 最近の俳句雑誌の追悼号を読むにつけて、懐かしくなったのである。そして、6月10日付けで、『飯田龍太の時代』という現代詩手帖特集版が出た。買って読んでいる。追悼文に加え、過去の新聞、雑誌などで龍太のことについて述べたエッセイを集めたものである。
 感心したのは、龍太の生前に数人の小説家が龍太について書いた文章である。龍太の父・蛇笏との交流もあった井伏鱒二永井龍男、水上 勉、三浦哲郎清岡卓行 など。さすがに上手い。話すような調子で書いているので、大変読みやすい。同業の俳人歌人の評論調の文章のとても及ぶところでない。