天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

土方歳三

高幡不動にて

 産経新聞で石井英夫が「流域紀行」を書いている。「燃えよ 多摩」を読んで、居ても立ってもいられなくなった。土方歳三から数えて6代目の娘さん、といっても36歳とか、が土方歳三資料館の副館長でおられ、かなりの美人らしいからである。歳三の男前からすれば、さもありなん。高幡不動のことも書いてあったので、先ずはそこに行くことにした。境内を歩き回り、店のおばさんに、土方歳三資料館の場所を聞いた。地図を貰った。徒歩で18分のところと書いてある。ただ、店のおばさんが言うには、開館日は、第一と第三日曜日らしい。念のため電話をかけたのだが・・・・。


      咲きおもる誓子の句碑の枝垂梅
      枝垂梅水琴窟の音かそか
      見上ぐればふつとやみたる初音かな


  お御籤をあまた結べる柵ありて横に石碑の旗かけの松
  誇らしき地元の人と慕はるる土方歳三もののふの像
  次々に白装束が入りゆけり高幡不動護摩供養はや
  帽子とりて寺の宝を見てまはる古るびてあれば皆有り難き
  賽銭を投げておろがむ丈六の全身黒き不動明王
  隊士らが実戦さながら打ち合ひし天然理心流の木刀二本
  切先の欠けて古りにし木刀のまがまがしけれ汗に黒ずむ
  肉を断つ定めに白く砥がれけむ井上源三郎脇差
  歳三の菩提寺にきて歳三の達筆を知る二通の書状
  墨痕にかすれも見えず黒々と慶喜の書は今にあたらし
  徳川の世をしのびてぞ書きにけむ海舟の筆鉄舟の筆
  土方の姓の墓石二つ、三つ高幡不動の墓地に佇む
  石仏を八十八ヵ所に置きてあり不動ヶ丘の巡拝コース
  黒松のわずか残れる愛宕山樹齢三百五十年以上も 
  松脂の火を点しけむ大戦の闇をしのべる黒松の傷
  丹の色のいまだ褪せざる五重塔地下に憩ひて弁当ひらく
  試食させおまけいくつも付けて売る高幡不動の愛媛オレンヂ
  休みらし土方歳三資料館電話むなしく鳴りにけるかも


 土方歳三資料館は、歳三が育った場所らしい。WEBで探したら、あった。館長は、土方陽子さんという。上品で美しいご婦人だ。新聞に出ていた副館長の愛さんは、お嬢さんらしい。歳三の愛刀・和泉守兼定の展示は、彼の命日に合わせて年一回という。今年は、5月3日〜5月18日を予定している。