天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

おたまじゃくし

大磯にて

 周知のごとく蛙の子のことで、お玉杓子と書く。難しくは蝌蚪とも。大磯の高来神社境内にある小さな池でみかけたお玉杓子の群を写真に撮った。それを右に示す。まことに不気味であり、キモイ(気持悪い)。



  子どもらが捕りてもて来しおたまじゃくし夜ふけて動く盥のなかに
                       島木赤彦
  まんまんと満つる光に生れゐるおたまじゃくしの目は見ゆるらむ
                       斉藤茂吉
  水中に蝌蚪くろぐろとうごきゐてわが心知らずみな歓喜せり
                       前川佐美雄
  うじやうじやと生きゐることが力なり蝌蚪どもの頭混沌と黒
                       河野裕子