蕎麦は中央アジア原産、タデ科の一年草。夏ソバと秋ソバに大別される。「蕎麦の花」は、俳句では秋の季語。いつ我が国に渡来したか不明だが、かなり古い時代のこと。高血圧に効くルチンを含むので、年配者が好んで食べる傾向にある。
さやさやし蕎麦の花畑風のむたに動くを見れば我もゆるるがに
島木赤彦
この頃のあかとき露に門畑の蕎麦の白花かつ障テみけり
古泉千樫
小さき岩大きなる岩そのままに耕して蕎麦の花は貧しく
山下陸奥
白き布をのべたるごとき蕎麦の花ふるふると動く近くに見れば
大西民子
つつましく蕎麦の花咲く荒野かな
蕎麦の花ゆれて荒野に風わたる