2011-06-22 定家葛 キョウチクトウ科の常緑つる性木本。今春禅竹作の能『定家』からついた名という。定家と式子内親王の忍ぶ恋。死しても式子の情念は雨となり、定家の妄執は葛となって式子の墓にからみつく。この作品の発想のもとになったのは、次の式子内親王の歌にあるという。 秋こそあれ人は尋ねぬ松の戸を幾重も閉じよ蔦のもみじ葉 式子内親王『新勅撰和歌集』 歌人の定家葛といふ名すら時代移りし花の咲くかな 岡 麓 定家葛の盆の白花さきそめて帰りきまさむ人まつこころ 福田たの子