天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

女郎蜘蛛

藤沢市新林公園にて

 クモ綱クモ目アシナガグモ科に属するクモ。雄の体長は8mmほどだが、雌はその倍以上ある。幼時に作る網の形は丸く、成長すると馬蹄形になる。関東地方では秋の終りに真赤な卵を産む。そして翌春に孵化する。雄で7回ほど雌で8回ほど脱皮を繰り返して成体となる。


     山雨過ぎ網を繕ふ女郎蜘蛛   大久保白村


  透明な糸を吐きつつ女郎蜘蛛はたつきのえものを美しく獲る
                    稲垣紘一
  ゆふぐれの蒼さをしんと張りつめて女郎蜘蛛は巣をかけ終はる
                    川崎綾子


     蜘蛛の囲は木の葉かかりて主留守


  蜘蛛の囲の糸をつかめる女郎蜘蛛風の揺れにも微動だにせず
  そこここに蜘蛛の囲あれば立ち止まり主の姿写す里山