天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

泰山木の花

河内の弘川寺境内にて

 北米原産、モクレン科の常緑高木で、日本には明治初年に渡来した。5月から6月にかけて香気ある白い花を開く。9月から10月には、果実が裂けて赤い種子を出す。右の画像は、先日、西行法師終焉の地である河内の弘川寺を訪れた時見つけたものだが、藤沢市江ノ島にもある。


     壺に咲いて奉書の白さ泰山木    渡辺水巴
     泰山木月下にて花あきらかに    畠山譲二
     あけぼのや泰山木は蝋の花    上田五千石
     泰山木葉を押しひろげ咲きにけり  棚山波朗


  曇り日を泰山木の花しろく咲きつつありて過ぎぬ二十は
                      清原令子
  うちひらき泰山木の白華(びやくげ)なる大き一枝の花
  まゐらせむ               宮 英子


  白壺を割りたるように開ききり泰山木厚きかけらを落す
                     梅内美華子
  大盞木を白きナイルと見てをれば紫陽花が青きナイルと応ふ
                      阪森郁代