天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

光(3)

NHKテレビの画像から

 光は輝くばかりの美しさや人に明るさをもたらすものの譬になる。また威光、光栄など他の言葉との組合せてその意味を強調する。


  冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴り
  ひびきたり              玉城 徹


  廃品のビン積む広場月の夜は鳴り出づるごと光乱るる
                   富小路禎子
  噴水が輝きながら立ちあがる見よ天を指す光の束を
                   佐佐木幸綱
  血のごとき一筋の光流れきて暮るる平野に潮あらはれぬ
                    石川一成
  よるべなき沈黙(しじま)といへど濃密に苔さく上を
  ひかり移ろふ            小中英之


  めつむれば目の奥ともる光ありひとひたつぷり桃見しからに
                    晋樹隆彦
  まだ一年もう一年と数えいる光の粒か時間というは
                   山田震太郎