光は輝くばかりの美しさや人に明るさをもたらすものの譬になる。また威光、光栄など他の言葉との組合せてその意味を強調する。
冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴り
ひびきたり 玉城 徹
廃品のビン積む広場月の夜は鳴り出づるごと光乱るる
富小路禎子
噴水が輝きながら立ちあがる見よ天を指す光の束を
佐佐木幸綱
血のごとき一筋の光流れきて暮るる平野に潮あらはれぬ
石川一成
よるべなき沈黙(しじま)といへど濃密に苔さく上を
ひかり移ろふ 小中英之
めつむれば目の奥ともる光ありひとひたつぷり桃見しからに
晋樹隆彦
まだ一年もう一年と数えいる光の粒か時間というは
山田震太郎