天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

うさぎ

神奈川県二宮町吾妻山にて

 野兎、越後兎、飼い兎など種類は多い。夜間に行動する。頭数を数えるのに、一羽、二羽とするのは、肉が鳥に似ているからという。上代の東国では「をさぎ」と言った。


  等夜(とや)の野に兎狙(わさぎねら)はりをさをさも寝なへ
  子ゆゑに母に嘖(ころ)はえ   万葉集・東歌・作者未詳


  なにとなくかよふうさぎもあはれなりかたをか山の庵の垣根に
                      夫木抄・慈円
  ここだくにつどふうさぎが友見ればわにあざむきし神代し
  おもほゆ                  本居宣長


  垣外にためらふ兎幼くて耳背負ひ逃ぐわが通るとき
                       長谷川銀作