天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

胡桃(1/2)

鬼くるみ(webから)

 クルミ科の落葉高木。日本にはオニグルミだけが自生する。実はほぼ球形で密毛があり、核は固く深い皺がある。青胡桃は、夏の頃のまだ熟さない青い実のこと。日本では縄文時代から種実の出土例がある。胡桃には、次のような健康上の効果があるとされる。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らす作用、滋養強壮作用、抗酸化作用、神経沈静作用、皮膚の代謝促進作用 など。秋の季語。


     蓼科は山なみやさし鬼くるみ   峰尾北兎


  母一人臥(こや)りいませり庭のうへに胡桃の青き花
  落つるころ              島木赤彦


  出で入りに踏みし胡桃を拾ひ拾ひ十五になりぬ今日の
  夕がた                土屋文明


  怨念の澄むきわもなし生きの緒に胡桃を割れば散乱の殻
                     山田あき
  房ながら砂にあざやかにうごきつつ胡桃の花の影さへや青し
                     岡部文夫
  くるみの苗携へて来ぬ学園に林つくりりす呼ばむと言へば
                     中山周三
  道の辺の陸軍上等兵W氏の墓に胡桃の落つるこのごろ
                     斎藤 史
  胡桃の木垂り花青く揺れながらわが行く道の上をさへぢる
                     扇畑忠雄