天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

雲のうた(6)

彩雲

 「雲居」は、(1)空の高い所、雲のある天空 (2)雲(3)はるか遠い所 (4)皇居・宮中 などの意味がある。「雲の上」も同様の意味を持つ。「雲井」とも書くが、「井」は当て字。
最後の歌は、防人の作。


  巻向の穴師(あなし)の山に雲居つつ雨は降れども濡れ
  つつぞ来し         作者未詳『万葉集


  国遠み思ひなわびそ風の共(むた)雲の行くごと言(こと)は
  通(かよ)はむ        作者未詳『万葉集


  雲居なる海山越えてい行きなば我れは恋ひむな後は逢ひぬとも
                作者未詳『万葉集
  春日なる御笠の山に居る雲を、出で見るごとに君をしぞ思ふ
                作者未詳『万葉集
  伊香保ろに天雲い継ぎかぬまづく人とおたはふいざ寝しめとら
                作者未詳『万葉集
  み空行く雲にもがもな今日行きて妹に言(こと)どひ明日帰り来む
                作者未詳『万葉集
  面形の忘れむしだは大野ろにたなびく雲を見つつ偲はむ
                作者未詳『万葉集


[注]右上の画像は、web「雲の種類と名前」 http://asukainfo.com/kumo
   から借用した。