天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

白鳥の歌(8/9)

思案

 青井史はカメラアングルで詠んだ。渡英子の情景は、まことに珍しい。どんな郵便受けなのか?青山兟の歌では、編隊を外れた一羽がいたのかどうか不明。作者の願望を詠んでいる。


  みづうみを傾けていつせいに翔ちてゆく春の白鳥の
  はばたき重し            青井 史


  阿武隈川に大白鳥の鳴きかへば天彦かへす雪の連山
                    河出朋久
  白鳥が郵便受けにねむりをり こんなにとほい南島に来て
                    渡 英子
  一羽のみ編隊外れ降りて来て白鳥の私生活吾に知らせよ
                    青山 兟
  虹の輪ゆ生(あ)るるがごとく白鳥の群れて飛びたつ
  庄内の空              近藤総子


  海が見たくてはるばる来たれば流氷と白鳥とをり帰る忘るる
                    野原水嶺
  舞い疲れまたゆらゆらと舞いいずる白(しろ)木蓮の千の白鳥
                    武川忠一


[注]右上の写真は、次の「水鳥達の写真」から借用した。
http://big-swan.com/category/%E7%99%BD%E9%B3%A5%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F/