卯の花(4/4)
卯の花の垣根たづねてほととぎす今宵は来鳴け月もさやけし
木下幸文
岡越の切通したるつくり道うの花さけりみぎにひだりに
井上文雄
卯の花は咲きにけらしな稀にとふ都の人の袖と見るまで
加藤千蔭
風脚にしらじらなびく若葉山うつぎの花はすぎにたるらし
土田耕平
風景がふくらむほどに雨降りて箱根(はこね)卯木(うつぎ)の紅もにじめる
宮本永子
*箱根卯木: 5〜6月,新枝の葉腋に,初め白色で次第に紅紫色に変化する花を多数開く。
根づきよきつくばねうつぎ光り葉は光りをはじく朝の日うけて
佐佐木信綱
*つくばねうつぎ: 衝羽根空木。スイカズラ科の落葉低木。本州以西の山地に自生。枝は赤褐色でつやがあり、葉は卵形で先がとがる。5月ごろ、黄白色の花が咲いたあと、5枚の細長い萼 (がく) が果実に残り、羽根突きの羽根に似る。(goo辞書から)