天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

わが歌集からー鳥類(15/15)

みみづく   1首

  「赤い鳥」の小さき歌碑を見つけたりみみづく幼稚園を覗きて

 

ヤマショウビン   1首

  舳倉島に今日見し鳥を記録せりヤマショウビンは赤き嘴

 

アカショウビン   1首

  新緑の四万十川の森に聞くアカショウビンてふ火の鳥の声

 

アトリ   1首

  ユーラシアより渡り来しアトリ飛ぶ灰降るごとき山峡の空

 

ヒル   1首

  梅雨明の川の岸辺に尻ふれる白きアヒルにむらむらとせり

 

ウシツツキ   1首

  岸に立つ河馬の背中を吸ふ蠅をつひばむアカハシウシツツキ鳥

 

ウミネコ   1首

  突堤に群れて口開くウミネコは一羽の鳶に距離おきて立つ

 

エナガ   1首

  どれもみな青磁の色の卵なればエナガ抱けり区別なかりき

 

カイツブリ   1首

  夕暮の片瀬の海のかいつぶり浮かび来るを息つめて待つ

 

かつを鳥   1首

  鱈漁を終へて海面に撒く雑魚を待ちて集へり白かつを鳥

 

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アトリ