天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

牡蠣(かき)

江ノ島にて

 イタボガキ科の二枚貝の総称。単にマガキを指すことも。日本近海に、約25種類生息。なかでもマガキは古くから食用にされてきた。酢牡蠣、牡蠣鍋、牡蠣フライなどで食べる。冬が旬。牡蠣の養殖は、広島、宮城が盛んである。
以前外食する際には、もっぱら生牡蠣にレモンとケチャップをかけて食べていたが、最近は全くご無沙汰している。


  こころよき飢をそそりて新しき牡蠣ぞにほへる初秋のあさ
                       前田夕暮
  乳白にかたまり合へる牡蠣の身に柑橘のするどき酸を搾りぬ
                       葛原妙子
  生牡蠣の舌につめたき春の夜と埃及(エジプト)の絵の奴隷を愛す
                       塚本邦雄
  誕生日われの生れし刻来り濃き酢のなかの昏睡の牡蠣
                       塚本邦雄
  花のごとく開くいくひら酢の中に牡蠣死なしめて一人の夕餉
                       富小路禎子
  養殖の牡蠣うまかれと海びとは川の源に木を植うるとぞ
                       前登志夫