天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

天道虫(1)

横浜市俣野別邸庭園にて

 テントウムシ科の甲虫。小さな球形の背に赤や黒のさまざまな模様のある益虫である。野原や庭の草花などに見かける。アブラムシやカイガラムシなどを食べる。七星天道虫、並天道虫、亀の子天道虫などの種類があり、現われる時期が異なる。瓢虫とも表記する。


  五月野の青草のなかに相寄れば天道虫が君の手を這ふ
                     川田 順
  てんたう虫の漆のごとき甲をみよあざやかにして赤き
  星七つ                岡部文夫


  せいせいと壬生菜は育ち細葉裏にひそと天道虫まろび
  生れにき               大滝貞一


  鍬の柄に双手を載せて待ちてをり天道虫の歩み去るまで
                     築地正子
  よき友とならむと近づきゆくわれに何故逃げまどふ天道虫は
                     築地正子
  天道虫に死に真似の智慧さづけたる神の諧謔をたたへゐるかな
                     築地正子