天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ライラック

ライラックの花

 ヨーロッパ原産のモクセイ科の落葉低木で、リラ、ムラサキハシドイとも言う。高さは3mから6mにもなりよく分枝し、卵形の葉をつける。寒い地方に適している。庭木や切花にして観賞する。ヨーロッパでは街路樹として植えられている。日本では主に北海道で多く見かける。札幌の木にもなっている。ライラックは香りがよく、香水の原料にもなる。俳句では春の季語。


     ライラック海より冷えて来りけり    千葉 仁
     久闊やリラの匂ひの中に居て      星野 椿
     リラ冷えや旅の地酒をすこし酌み    館岡沙織


  家ごとにリラの花咲き札幌の人は美しく生きてあるらし
                        吉井 勇
  雪の夜を何ゆゑリラの花おもふわが荒涼をよぶ北の花
                       生方たつゑ
  文体が溶けてゆくから歌わなかったーライラック色の暁が来る
                        前田 透
  高々によき花にほふライラック見めづる人のなきが不楽(さぶ)しゑ
                       佐佐木信綱


[注]右上の画像は、web「季節の花300」から借用した。
    http://www.hana300.com/rairak.html