天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕪村の画賛句(5/11)

  雪月花つゐに三世のちぎりかな   安永元年(57歳)―六年(62歳)か、自画賛

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 雪月花は白楽天「雪月花ノ時最モ君ヲ懐フ」に拠る。三世のちぎりは、過去・現在・未来にわたる主従の深いつながりのことで、謡曲『橋・弁慶』「これ又三世の奇縁の始め、今より後は主従ぞと」を踏む。絵は、牛若・弁慶図。画中の自画賛に「紫狐庵写」と署名あり(紫狐庵は蕪村の俳号のひとつ)。牛若と弁慶は、雪月花の風流をともに楽しみ、ついに三世のちぎりを結ぶことになった、という趣向。

[参考]http://e2jin.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e046.html