天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕪村の画賛句(7/11)

[右の句] にしきぎの 門(かど)をめぐりて おどり哉  安永六年(62歳)
[左の句] 四五人に 月落ちかかる 踊かな       明和五年(53歳)か。

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 「英一蝶が画に賛望れて」つまり、英一蝶の画に賛を請われて蕪村が句をつくった、という。
 「にしきぎの」句は、謡曲『錦木』を踏む。錦木は、奥州で男が求婚する女の門口に立てたという五色に彩った木で、女が応じる場合に取り入れた。
 「四五人に」の句が蕪村にすでにあり、「にしきぎの」の句は英一蝶に賛を請われた時に作り、画に両者を併記したか。英一蝶は、狩野派に学び風俗画に秀でた江戸の画家。

[参考]https://ameblo.jp/kakashiyo/entry-11578984031.html